もう1社、自然体な素晴らしい取組
やはり一宮市あるソフィア企画有限会社は、LPガスの販売促進広告制作をしている創業30年の会社です。
社長の石塚氏は、会社を立ち上げる時、女性を会社の柱にして彼女たちの力を活かそうと考えたと言う。それは、石塚氏自身が女性も男性と同じように、それ以上にビジネスができるという体験者であったからだ。
当時は『女性ばかりの会社をつくるなんて、戦力の半分にも満たない社員ばっかり集めてどうなるんだ!』と、オジサマ経営者達から半分心配、そして『世間知らずのお嬢さんが何をやっている。』と言う見方が半分という状況だった。
石塚社長は、『平成元年の創業より女性スタッフのみでLPガス販売会社様の販売促進のお手伝い、チラシや広告の製作などを専門に手がけてまいりました。』そして『7割か8割の稼働率で30年間続いてきた。』と言う。8時間労働を100%とすると、従業員はその7割か8割の稼働だというのだ。
社員は8名で、パート社員が3名、正社員の内2名が在宅勤務、3名が通常勤務だ。在宅勤務(テレワーク)社員の時間管理は一切行わない。成果物を納期までに上げればOKという考え方である。他の正社員やパートも授業参観や運動会、通院などプライベートの用事がある場合も、申告し他のメンバーと調整するだけで時間管理はしない。
『そんな、管理なんかしなくても、終われば帰って来るでしょ。』と言う。確かに・・・
さらに以前、社員が癌になった時、就業継続はもちろん、在宅ワークでその社員は最後まで仕事をしていた。亡くなった後ご家族から、その社員は最後まで自分が誰かの役に立っている、社会と繋がっているという充実感を感じていたとお礼の言葉があった。
夏休みは子どもを連れてくることもOKで、社長が宿題を見てあげることもある。
この柔軟性と合理性が注目点だ。社員への強固な信頼はティール組織の自主運営に通じる。
論理性、合理性を標榜しつつ、1時間の会議なら1時間しっかり時間を使う、細かな時間管理をすると言う管理に対し、一見『緩く』見える信頼をベースにした運用は合理的な働き方を産み出している。